タイ鉄道で出会う 絶景とローカルの旅

タイ観光

タイ旅行といえば、美味しい料理や美しいビーチが有名ですが、実は「鉄道の旅」も非常に魅力的です。ゆったりとした時間の流れとローカルな雰囲気を楽しめるのが、タイ鉄道ならではの特徴です。
本記事では、タイ鉄道の歴史、列車の種類、人気観光地、そしてバンコクの新旧主要駅について詳しくご紹介します。

タイ国鉄の歴史

タイの鉄道は、ラーマ5世(チュラロンコン大王)の時代、1891年(仏暦2434年)にバンコク〜ナコーンラーチャシーマー間の建設から始まりました。

1896年(仏暦2439年)には、バンコク〜アユタヤ間(約71km)が開通し、3月26日はタイ鉄道の創立記念日とされています。

その後、1900年(仏暦2443年)にバンコク〜ナコーンラーチャシーマー間(約265km)が全線開通しました。

ラーマ5世は、バンコク〜コラート線の開通式当日、王族とともに御料車(サルーン車)にご乗車されました。

タイ鉄道の列車

タイの鉄道(タイ国鉄:SRT)が運行する列車は、サービス形態や速度に応じて、主に以下のように分類されます。

1. 列車種別(速さと距離による分類)

  • 特急 (Special Express ): 最も速い列車です。主要な駅にしか停まりません。最新の中国製新型車両(CNR)など、きれいな寝台列車が多いのが特徴です。
  • 急行 (Express ): 特急の次に速い列車です。特急よりも少し停車駅が増えます。
  • 快速 (Rapid ): 停車駅が多く、料金が手頃です。地方都市への足として広く利用されています。
  • 普通列車 (Ordinary ): 中距離を走り、ほぼすべての駅や停留所に停まります。
  • 近郊列車 (Commuter ): バンコク近郊から都心へ通勤・通学する人向けの列車です。
  • ローカル列車 (Local ): 地方の短い区間を走る、地域密着型の列車です。

2. 座席のクラス(設備による分類)

  • 1等 (First Class): 個室寝台です。専用の洗面台があり、夜はベッドになります。
  • 2等 (Second Class): 座席タイプと寝台タイプ(カーテン付き)があります。エアコン付きと扇風機のみの車両があります。
  • 3等 (Third Class): 基本はボックス席の自由席で、ほとんどが扇風機のみです。運賃が非常に安く、短距離移動に向いています。

鉄道で行ける人気観光地

タイの鉄道を使えば、さまざまな魅力的な場所へ行くことができます。

  • アユタヤ:世界遺産の古都。バンコクから約1時間半。
  • チェンマイ:自然豊かな北部の人気都市。寝台列車がおすすめ。
  • カンチャナブリー:死の鉄道(Death Railway)やクウェー川鉄橋で有名な歴史スポット。
  • スラーターニー:南部の玄関口。サムイ島などへのアクセス拠点。
  • ホアヒン:バンコクから気軽に行けるビーチリゾート。レトロな駅も魅力です。
ホアヒン駅
カンチャナブリ県の「死の鉄道(Death Railway)」、第二次世界大戦中に建設された歴史的な路線

バンコクの中央駅

現在のバンコクには、「旧中央駅」と「新中央駅」の2つの重要な駅があります。

旧中央駅:フアランポーン駅(Hua Lamphong Railway Station)

バンコクの中心駅として100年以上の歴史を持つフアランポーン駅は、1916年に開業したタイを代表する歴史的な駅です。ヨーロッパ風の美しい建築でも知られ、多くの旅行者に親しまれてきました。

しかし現在、その役割は大きく変わっています。

  • 2023年以降、長距離列車(チェンマイ・南部方面など)は新しい中央駅へ移動
  • 現在は普通列車や近郊列車、一部の観光列車のみ運行
  • 駅自体は閉鎖されておらず、引き続き利用可能

つまり、「完全に廃止されたわけではなく、規模を縮小して運用されている状態」です。

また、将来的には一部を博物館として活用する計画もあり、歴史的な価値を残しながら新しい形へと変わろうとしています。

現在でも駅構内はどこかノスタルジックな雰囲気があり、「昔のタイ」を感じられるスポットとして人気があります。

フアランポーン駅
新中央駅:クルンテープ・アピワット中央駅 旧名バンスー中央駅(Krung Thep Aphiwat Central Terminal / Bang Sue Grand Station)

バンコクの新しい鉄道の中心となる巨大ターミナル駅で、東南アジア最大級の規模を誇ります。

主な特徴:

  • 長距離列車の主要発着駅
  • 広く近代的な施設
  • 今後の鉄道ネットワークの中心
クルンテープ・アピワット中央駅 旧名バンスー中央駅

国際鉄道ネットワークの現状と未来

現在、タイの鉄道は近隣諸国との接続が進んでおり、東南アジアにおける重要な交通ハブとしての役割を強めています。現時点ではラオスやマレーシアと接続しており、将来的にはさらに広域なネットワークの構築が期待されています。

ラオス(および中国方面)

クルンテープ・アピワット中央駅(Krung Thep Aphiwat Central Terminal)からビエンチャン(Vientiane)方面へアクセス可能です。
ラオス国内ではラオス・中国鉄道と接続しており、中国の昆明(Kunming)まで鉄道で移動することができます。

将来的には、バンコクから中国まで鉄道で一本で移動できるルートとして注目されています。

マレーシア方面

ハートヤイ・ジャンクション(Hat Yai Junction)やパダン・ブサール駅(Padang Besar)を経由してマレーシアへ接続しています。
マレーシア国内ではバターワース(Butterworth)やクアラルンプール(Kuala Lumpur)などの主要都市へ鉄道で移動可能です。

カンボジア方面(計画中)

現在、タイとカンボジアを結ぶ鉄道路線は開発が進められており、将来的にはバンコクからプノンペン(Phnom Penh)まで鉄道での移動が可能になる見込みです。

今後の観光および物流の発展が期待されています。

高速鉄道プロジェクト(未来)

タイと中国を結ぶ高速鉄道は、バンコクからナコーンラーチャシーマー区間において建設が進められています。
将来的にはラオスや中国と接続し、広域的な鉄道ネットワークの形成が期待されています。

さらに、シンガポールまでを結ぶ国際鉄道構想も検討されており、東南アジア全体を鉄道で移動できる時代が現実になりつつあります。

タイの鉄道は、移動手段であると同時に「旅を楽しむための体験」です。
新しいクルンテープ・アピワット中央駅で快適に移動するのもよし、フアランポーン駅で歴史を感じるのもよし。それぞれの魅力を楽しめるのが、今のタイ鉄道の面白さです。
次回タイを訪れる際は、ぜひ鉄道の旅を体験してみてください。

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